WARIKIRI英語クロニクル

英検1級・TOEIC960のihissangが東大・京大・灘高校の入試問題をひたすら解きます。単語レベルはアルクのSVL(究極の英単語)を基準にしています。

京大 2015年度入試問題(英語) 第2問

paragraph 1 

 Considering its history, you'd have thought that by now problems with nothing were a thing of the past, sorted out well before the end of the seventeenth century, and that thereafter nothing was nothing to talk about and certainly nothing to worry about.

[ihissangの頭の中]

 いきなり訳の分からん出だしです。何を言いたいのかさっぱりわからん。読む気が失せたけど、とりあえず全文読んでみた。全体を一回さっと読んでもよくわからない。二回読んだら概要はつかめたけど、結局何がいいたいかよく分からなかった。前提として哲学か倫理学の知識がいるかもしれません。大学受験の現代文でたまに訳の分からないのが問題文にあったけど、そんな感じ。

[チート]

sort out: 処理する、解決する、整頓する

 

paragraph 2 

 Apparently not. (1) Far from it, in fact. Not only does nothing remain a mystery, but (and possibly because of it)―nothing also keeps on making an appearance in virtually every walk of life, even when we don't notice.

[ihissangの頭の中]

 itは第一段落の内容を受けているんだろ。長いけど、"remain a mystery"との対応関係を考えると、"sorted out(解決された)"をさすんだろう。not only~but alsoはいいよな。make an appearanceは「現れる」、walk of lifeは「職業」「階層」だけどどっちにするか迷う。virtuallyはeveryを強調してるから「ほぼすべての」。「事実上全ての階層」でもいいかもしれないけど、やや日本語的に稚拙な感じがする。keep on~ingの訳は悩む。そのまま訳すと「~は現れ続けている」だけど、「絶えず現れている」あたりにしとく。

[ihissangの解答]

(1) 実際には、決して「無」は過去に解決されていない。「無」は依然として謎であるだけでなく(そして恐らくそのために)、「無」は、知らず知らずのうちに、社会のほぼ全ての階層に絶えず現れている。

[チート]

 25年では、 ”Far from it”の”it”の内容を第一段落をほぼそのまま訳してる。一言でまとめなくてもよかったの?!

 25年ではwalk of lifeを「活動分野」としている。河合の速報では「職業」にしている。「階層」だと、セレブとか中産階級とか低所得者で、「職業」だと、医者・弁護士・会社員・自営業、「活動分野」だと、スポーツ・芸術・文学のイメージなので、「活動分野」が一番しっくりくる。けど、walk of lifeは"the position in society someone has, especially the type of job they have 〈LDCE〉"だから、「活動分野」とするには勇気がいる(少なくとも答案上は)。「社会的地位や分野」と濁したらどうだろ。

 even when SVは「~のときでさえ」。うまい日本語が思いつかなかったから「知らず知らずのうちに」にしたけど、evenのニュアンスがでていない。「きずいていなくても(25年)」か普通に「~のときでさえ」でよかった。

 

paragraph 3

 [ihissangの頭の中]

 "Yet there it is, alive and well, and still, obstinately, as far away as ever from being understood"はちょっと考えた。as far away as ever from being understoodはas ~as ever(相変わらず)+far fromだから、「依然と同様にまったく理解できない」

 

で、下線部(2)登場。

 

 (2) Since it follows that the more we know, the less we don't know, we are left with one of those strange paradoxes that the more we know about everything, the less we know about nothing.

[ihissangの頭の中]

 it follows that ~は「~ということになる」。left with~の訳が難しい。「~とともにとりのされる」が直訳だけど、「途方に暮れる」「当惑する」あたりにしとく。that はさらに難しい。普通に考えると同格のthatなんだけど(~という逆説)、paradoxesと複数形になってるんだよな。けど他に解釈しようがないから同格で行く。

[ihissangの解答] 

 当然「知れば知るほど、知らないことがなくなっていく」ことになるので、「万事を知れば知るほど、無を知らなくなっていく」という1個の奇妙な逆説に直面する

[チート]

everythingはnothing(「無」)の対概念と考えて「万事」にしたけど、かえってよくわからなくなったかも。「あらゆること(25年)」「ありとあらゆること」。

one of those”は単なる"one of ~"と区別するべきなんかなあ。25年では区別して「例の~の一つ」、河合では「よくある~の一つ」と訳してる。

be left with:(人が)…を残される, (感情・考えなど)を抱く。


paragraph 4~paragraph 6

[ihissangの頭の中] 

 最後までざっと読む。知らない単語がちょっとあったけど、難しくはない。( ア ) out from~to‥にいれて意味が通じるのがbring(brought)。( イ ) はthought, laughed, written, painted, fashionedとあるから、sungしかない。これは簡単。

[チート]

 affront  (公然と)〈…〉を侮辱する

powers-that-be 権力者、上層部

the holy grail 聖杯(人が)探求する(が達成の難しい)物事[理想, 目標], 見果てぬ夢

 

 

年度 問題 内容 ジャンル 単語数 語彙レベル readability
95% 97% AVR ARI CLI
2015年 第1問 階層構造 科学 論説文 690 5,000 7,000 1.8 16.0 14.8
2015年 第2問 「無」について 哲学・倫理学 論説文 387 6,000 8,000 1.8 13.8 11.3