WARIKIRI英語クロニクル

英検1級・TOEIC960のihissangが東大・京大・灘高校の入試問題をひたすら解きます。単語レベルはアルクのSVL(究極の英単語)を基準にしています。

京大 2014年度入試問題(英語) 第1問(その2)

paragraph 1(続き)

(perhaps they are "natural born philosophers" ―or are as smart as they think they are)

 

[ihissangの訳]

たぶん彼らは生まれつきの哲学者、つまり自分たちが思っている程度に頭がいいのでしょう。

ちょっと読んでてわかりにくかったっけたけど、「科学者は自分のことを頭がいいいと思っている。」という筆者の皮肉がこめられているのでしょう。

で、次に設問。

 

(2)Not that professional philosophers don't make ―and even defend―the old mistakes too. If the questions weren't hard, they wouldn't be worth working on.

[ihissangの訳]

(2) ㋐哲学者が、かつてなされた過ちを犯さないというわけでははないし、かつての過ちを正当化しないと言う訳でもない。難解な疑問でなければ、その疑問に取り組む価値がないであろう。

 

'the old mistakes'は直訳すると「古い間違い」だけど、定冠詞 がついてるから、「いままで賢人たちが犯したかずかずの過ち」なんでしょう。㋐㋑の訳自体はそんなに悩まなかったけど、論理関係が分かりにくい。哲学者は難解な疑問を解決しようとするからこそ、偉大な先輩と同じように間違いを犯す。つまり、㋐の理由が㋑になっていると思う。

 

paragraph 2

 Sometimes you don't just want to risk making mistakes: you actually want to make them ― if only to give you something clear and detailed to fix.

何を言いたいかさっぱりわかりませんでした。

 

まず、don't just want to~の意味。justは強意語として「全く」「 実に」という意味があります。

The weather was just fine.(ほんとうにいい天気だった).

また、justは場所によって意味が違ってきます。just notは「~ではない」、not just(本問)は「(単に)~だけではない」

I just can’t believe it.(まったく信じられない.)

I can't just believe it.(信じているだけではない)

 I don’t want just a summary:tell me her actual words.(単なる要約が欲しいのではない。彼女が実際に言った言葉を教えてくれ。)

次に、if onlyは、(1) ただ…でさえあれば(2) たとえ…だけであるとしても、の意味があります(さらに願望の意味があります)

(1) He will succeed if only he does his best.(彼はただ最善を尽くせば成功します)

(2) You must come over, if only for a day.(たとえ一日だけでも来ないといけません)

本問では(2)の意味だと思う。

 

最後に、'something clear and detailed to fix'ですが、fixはいろんな意味があるけどよくわからん。

時折、間違いをする危険を犯したがるだけではない。実際にはそれを望んでいるのだ。明快で詳しいな(  )べき〈ための〉ものを得る目的であるにせよ

 

fixの意

【固定する・決定する・解決する・こころにとめる・修理する・用意する】

 

この中では「(解決する)ための」が一番しっくりくるかなあ。要は「明快でいろいろ詳しい解決手段が欲しい」ってことでしょう。ちなみに25年では「修正しうる明確で詳細なもの」って訳してました。

 

この後は簡単でした。いくつか知らない単語がありましたが。

writers block :作家が突き当たる障壁(一時的に思考力・創作力・学習力・作文力などをなくすこと)

forlorn:(1) unlikely to succeed, come true, etc  (2) (of a person) appearing lonely and unhappy (3) (of a place) not cared for and with no people in it:

blurt out: (興奮・不安のあまり)〈…〉を出し抜けに言う; 口走る (to say something suddenly and without thinking, usually because you are nervous or excited)

 

paragraph 3

下線部訳が最高に難しい。

(3)㋐ While other disciplines specialize in getting the right answers to their defining questions, we philosophers specialize in all the ways there are of getting things so mixed up that nobody is even sure what the right questions are, let alone the answers. 

まず、㋐で’defining questions’の訳は悩んだ。'define'「定義する」「範囲を決める」「明確にする」のイメージから「明確な質問」と訳した。all the way there are of~は「現に存する~するすべての方法」、so that 構文、let aloneも基本。mixed upの訳は悩んだ。いちおう「複雑な」にした。構文はわかるけど訳は激難しい

(3) ㋐ 「他の専門分野の人たちは、明確な質問に対する適切な解答を導くことに長けている。一方、われわれ哲学者は、現に存在して、物事を複雑にするすべての方法を専門とします。それはあまりに複雑で、何が適切な質問か、ましてや答えなどなおさら分からなくほどです。

 

(3)Asking the wrong questions risks setting any inquiry off on the wrong foot. 

これはチンプンカンプンでした。’set off on the wrong foot’が「出足が不調である」よいうイディオム。しらんかった!そして、’set~off’は「~を起こさせる、誘発する」。だから、「不適切な発問によって、どんな研究であろうと最初からつまずく危険があります。

 

(3)Whenever that happens, this is a job for philosophers!

この訳はいいっしょ。

 

この後はさっと読めた。しらないイディオムが少しあったぐらい。

 

ほんと、京大の英語は難しいなあ!!

 

京大 2014年度入試問題(英語) 第1問

 

年度 問題 内容 ジャンル 単語数 語彙レベル readability 難易度
95% 97% AVR ARI CLI
2014年 第1問 哲学者の仕事 論説文 哲学・倫理学 532 5,000 7,000 1.9 10.5 10.9 B+

※単語数は空欄を補充して文章を完成させたときの単語数。語彙レベルのAVRは、アルクのSVLを基準に、当該長文に出てきた総単語の平均レベル。95%、97%とあるのは長文中の全ての単語を難易度順に並べたときに、簡単な単語から95%の単語レベルと、97%の単語レベルを示しています。つまり、本問では、SVLで5000語レベルであれば、この長文の95%の単語を知っていたことを意味します。readabilityは、ネットで文章の難易度を測定できるサイトがあったので測定しました。難易度は実際に英文を読んで、ihissangの独断できめました。簡単な順に、AA→A→B→B+→C→D。過去50年分を相対的に判断したいので、難易度評価は後で変わるかもしれません。

 

paragraph 1

とりあえずざっと読む。難しい。哲学の話はわけわからんから勘弁してほしい。

Chemists typically get by with only a rudimentary knowledge of the history of chemistry, picked up along the way…

[ihissangの訳]

化学者は大体、これまでに得られたほんの初歩的な化学史の知識でなんとかしてきたのだ。」

’picked up along the way’がよくわからなかった。along the wayは「途中に」「これまでずっと」。途中にで拾った?なんの途中?25年は「研究途上」って訳しているけど、そこまで限定しているのかなあ??along the wayは、during a process or experience, or during someone’s life’だから、おおざっぱに「これまで得られた」としました。

[チート]

typically:①典型的な、②一般的に(ここでは②の意味)

get by with(on,in):切り抜ける、なんとかうまくやる( to manage to live or do a particular thing using the money, knowledge, equipment, etc. that you have )

ex) How does she get by on such a small salary?

◇rudimentary :基本の、初歩の(基礎的だが原始的で未発達のもの,不完全なものに対して使う)

ex)They were given only rudimentary training in the job.

 

 the history of philosophy is in large measure the history of very smart people making very tempting mistakes…

[ihissangの訳]

「哲学の歴史では、賢人がとても魅力的な過ちを犯したのがほとんどである。」

正直何を言いたいのかわかりませんでした。tempting mistakesが意味不明なんです。

25年では、「つい引っかかる間違い」と訳してる。「賢人でもついつい過ちを犯すのが哲学の歴史なんですよ。だからおれたち凡人が同じ間違いをしないように哲学の歴史を学ぶんですよ。」ってことですね。なるほど。それはそれでわかり易い。辞書でtemptingを引くと、'something that is tempting is attractive, and makes people want to have it, do it, etc'とありました。tempting mistakesは「(魅力的なので)飛びつきたくなるような間違い、思わずしてしまう間違い」という意味なんでしょう。

 

で、設問登場。

(1)That's why we teach the history of the field to our students, and scientists who cheerfully ignore philosophy do so at their own risk. There is no such thing as philosophy-free science, just science that has been conducted without any consideration of its underlying assumptions.

[ihissangの訳]

(1)そういうわけで哲学者は学生に哲学史を教え、陽気にも哲学を無視する科学者は、みずからの危険において、哲学を無視するのである。哲学と無関係な科学(基礎となる仮説を無視してなされるてきた科学)は存在しないのである

 

just以下が難しい。同格と考えて括弧書きにした。25年では"no A just B"(AはなくただB)と考えて、下線部を「そういうわけで、われわれは哲学の歴史を学生たちに教え、哲学をのんきに無視する科学者は、自己責任でそうするのだ。哲学のない科学と言ったものなど存在しないのであって、あるのはただ、その根底にある前提をなんら考察することなく行われてきた科学なのだ。」と訳してる。この訳だと前半は問題ないにしても、後半部分が意味不明です

 

 ちょっと論理関係を整理すると‥

A: なんで哲学者は哲学の歴史を学ぶの?

B: 偉大な大先輩が犯した過ちを学んで同じ過ちをしないためだよ。だから哲学を無視する科学者はあほです。

A: なんであほなん?

B: だって、哲学と科学は無関係ちがうし。

A: どう関係あるの?

B: 要するにな、科学っていうのは相対性理論とか進化論とかビッグバン理論みたいな基礎となる仮説の上に成り立つわけよ。だから、科学ってのは前提となる理論を無視しては成立しないわけね。

A:  要するになってないねんけど。

B: だから、要するに哲学のない科学ってのは、いわば前提となる仮説を無視した科学ってことよ。

A: ??あほにもわかるように説明してよ。

B: だ・か・ら、要するに、歴史的には科学は哲学の一派で、科学の根本に哲学があるわけよ。ほんなら、哲学のない科学ってのは、根本を無視してることになるやん。だから、哲学のない科学ってのは、前提となる仮説を無視した科学になるやろ。

A: それで何が言いたいの?

B:  just science以下がphilosophy-free scienceの同格って言いたいだけです。

A: お前話が長いねん。

 

 

 

灘高校 2016年度入試問題(英語) 第2問

 2016年度第2問は文法問題です。文法的な誤りを訂正する問題です。5問ありますので、一つ一つ見ていきましょう。

 

1.   So honest and smart is the student which everyone respects him.

 

2.   The woman you met her yesterday is our math              teacher.

 

3.  One of the students in this room are against the plan.

 

4.  Answer to the questions right now, and you'll go home.

 

5.  I want to know how did you finish the difficult task.

 

 

 

1.

〈解答〉which→that

〈解説〉so that構文の倒置の形です。これは中学生にとっては難しいでしょう。倒置は文法書の後ろの方に出てくるので、手薄になりがちです。高校の文法書は隅から隅まで読むか、高校レベルの英文(高2のリーダー以上センター未満)をたくさん読んで勘を養うかしないと「確信をもって」解答できないと思います。

 The student  is so honest and smart that everyone respects him.(その生徒はとても正直でかしこいので、みんな彼を尊敬している)

 'so honest and smart'を強調するために文頭に置いて、主語(the sutudent)と動詞(is)をひっくり返せばOK.

  So honest and smart is the student that everyone respects him.〈解答〉

 

2.

〈解答〉herを削除

〈解説〉関係代名詞の基本中の基本。

  The woman  is our math teacher. You met her yesterday.

を関係代名詞を用いて一文にすると、herをwhoに変えて、who you met yesterdayとなる。これをwomanの直後に置く・

  The woman who you met yesterday is our math  teacher.

 目的格の関係代名詞は省略するから

 The woman you met yesterday is our math  teacher.〈解答〉

 

3.

〈解答〉are→is

〈解説〉これも基本。one of~は「~の一つ」だから単数。ちょっと簡単すぎでしょ。

 

4.

〈解答〉toを削除

〈解説〉answerは他動詞なので、前置詞のtoは不要。自動詞と混同しやすい他動詞は文法書のはじめに載っています。代表的な動詞を覚えておきましょう。

   merry, enter, discuss, approach, mention, attend, reach, resemble

   「めだまあるある」で覚えましょう…answerが抜けてるし。

 

5.

〈解答〉how did you finish→you finished

〈解説〉間接疑問文の問題。これも簡単。過去形にするのを忘れないように

 

 

 

灘高校 2016年度入試問題(英語) 第1問

1.本文について

 年度  問題  内容 ジャンル  単語数     語彙レベル readability
AVR  95%  97% ARI CLI 難易度
2016年度 第1問 塞翁が馬 故事 物語 553 1.2 3,000 5,000 4.1 5.9 A

※単語数は空欄を補充して文章を完成させたときの単語数。語彙レベルのAVRは、アルクのSVLを基準に、当該長文に出てきた総単語のレベル。95%、97%とあるのは長文中の全ての単語を難易度順に並べたときに、簡単な単語から95%の単語レベルと、97%の単語レベルを示しています。つまり、本問では、SVLで3000語レベルであれば、この長文の95%の単語を知っていたことを意味します。readabilityは、ネットで文章の難易度を測定できるサイトがあったので測定しました。難易度はihissangが単語レベルと本文を読んだ感覚で決めました。AA→A→B→B+→C→Dの6段階評価で灘高入試の英文を評価します。

 

 「塞翁が馬」という中国の故事をネタにした長文です。中学生だったらこの故事は知っているのでは?その意味でも読みやすい英文でした。レベル7以上の単語は

frantic:(恐怖・興奮・喜びで)気が狂ったような、半狂乱の
compassionate:憐み深い、同情的な
enrage:激怒させる

の3つでした。

 

イディオムで気になったのは

not again: (再び起きたことに対して)またですって
blow up:爆破するふくらませる、ここでは誇張するの意味

ぐらいでした。

 

2.設問について

 問1は(a)と(b)が同じことを示すのは簡単にわかる。何も考えずに読むと(c)も同じと考えそう。(a)と(b)が「牛が死んだこと」、(c)は、牛が死んだことが「最悪であること」。

 問2は簡単。ストーリーを追っていけばなんとなくでも答えが出るのでは。

 問3は”disguise”の意味を知っているかどうかがポイントなんだろうけど、これも物語の流れを理解していたらなんとなくでも答えが出るのでは。

 問4は、「ア. could clearly understand the old man's words」と「イ. went back to the wise man to ask for some advice」で考えるかも。すぐ後に農民が賢者のところに行った記述があるので、アが答え。

 問5.(4)はくそ簡単。(5)は「break out:(火事・戦争・病気が)勃発する)」というイディオムを知っているかどうかの問題。

 問6は難しい!!

  Often we make a big deal out of something.

を日本語訳する問題です。「make a big deal out of ~:~を大げさに考える」なんてイディオム中学生が知っているとは思えないんですが。もしかしたら、会話文とかで「no big deal:大したことでない」を勉強していれば、推測して本問も解けたかも。

 問7も簡単。「ウ. You're almost there. (もうすぐだよ)」の意味は知らなくても解答には影響がないと思います。

 

京大 2015年度入試問題(英語) 第2問

paragraph 1 

 Considering its history, you'd have thought that by now problems with nothing were a thing of the past, sorted out well before the end of the seventeenth century, and that thereafter nothing was nothing to talk about and certainly nothing to worry about.

[ihissangの頭の中]

 いきなり訳の分からん出だしです。何を言いたいのかさっぱりわからん。読む気が失せたけど、とりあえず全文読んでみた。全体を一回さっと読んでもよくわからない。二回読んだら概要はつかめたけど、結局何がいいたいかよく分からなかった。前提として哲学か倫理学の知識がいるかもしれません。大学受験の現代文でたまに訳の分からないのが問題文にあったけど、そんな感じ。

[チート]

sort out: 処理する、解決する、整頓する

 

paragraph 2 

 Apparently not. (1) Far from it, in fact. Not only does nothing remain a mystery, but (and possibly because of it)―nothing also keeps on making an appearance in virtually every walk of life, even when we don't notice.

[ihissangの頭の中]

 itは第一段落の内容を受けているんだろ。長いけど、"remain a mystery"との対応関係を考えると、"sorted out(解決された)"をさすんだろう。not only~but alsoはいいよな。make an appearanceは「現れる」、walk of lifeは「職業」「階層」だけどどっちにするか迷う。virtuallyはeveryを強調してるから「ほぼすべての」。「事実上全ての階層」でもいいかもしれないけど、やや日本語的に稚拙な感じがする。keep on~ingの訳は悩む。そのまま訳すと「~は現れ続けている」だけど、「絶えず現れている」あたりにしとく。

[ihissangの解答]

(1) 実際には、決して「無」は過去に解決されていない。「無」は依然として謎であるだけでなく(そして恐らくそのために)、「無」は、知らず知らずのうちに、社会のほぼ全ての階層に絶えず現れている。

[チート]

 25年では、 ”Far from it”の”it”の内容を第一段落をほぼそのまま訳してる。一言でまとめなくてもよかったの?!

 25年ではwalk of lifeを「活動分野」としている。河合の速報では「職業」にしている。「階層」だと、セレブとか中産階級とか低所得者で、「職業」だと、医者・弁護士・会社員・自営業、「活動分野」だと、スポーツ・芸術・文学のイメージなので、「活動分野」が一番しっくりくる。けど、walk of lifeは"the position in society someone has, especially the type of job they have 〈LDCE〉"だから、「活動分野」とするには勇気がいる(少なくとも答案上は)。「社会的地位や分野」と濁したらどうだろ。

 even when SVは「~のときでさえ」。うまい日本語が思いつかなかったから「知らず知らずのうちに」にしたけど、evenのニュアンスがでていない。「きずいていなくても(25年)」か普通に「~のときでさえ」でよかった。

 

paragraph 3

 [ihissangの頭の中]

 "Yet there it is, alive and well, and still, obstinately, as far away as ever from being understood"はちょっと考えた。as far away as ever from being understoodはas ~as ever(相変わらず)+far fromだから、「依然と同様にまったく理解できない」

 

で、下線部(2)登場。

 

 (2) Since it follows that the more we know, the less we don't know, we are left with one of those strange paradoxes that the more we know about everything, the less we know about nothing.

[ihissangの頭の中]

 it follows that ~は「~ということになる」。left with~の訳が難しい。「~とともにとりのされる」が直訳だけど、「途方に暮れる」「当惑する」あたりにしとく。that はさらに難しい。普通に考えると同格のthatなんだけど(~という逆説)、paradoxesと複数形になってるんだよな。けど他に解釈しようがないから同格で行く。

[ihissangの解答] 

 当然「知れば知るほど、知らないことがなくなっていく」ことになるので、「万事を知れば知るほど、無を知らなくなっていく」という1個の奇妙な逆説に直面する

[チート]

everythingはnothing(「無」)の対概念と考えて「万事」にしたけど、かえってよくわからなくなったかも。「あらゆること(25年)」「ありとあらゆること」。

one of those”は単なる"one of ~"と区別するべきなんかなあ。25年では区別して「例の~の一つ」、河合では「よくある~の一つ」と訳してる。

be left with:(人が)…を残される, (感情・考えなど)を抱く。


paragraph 4~paragraph 6

[ihissangの頭の中] 

 最後までざっと読む。知らない単語がちょっとあったけど、難しくはない。( ア ) out from~to‥にいれて意味が通じるのがbring(brought)。( イ ) はthought, laughed, written, painted, fashionedとあるから、sungしかない。これは簡単。

[チート]

 affront  (公然と)〈…〉を侮辱する

powers-that-be 権力者、上層部

the holy grail 聖杯(人が)探求する(が達成の難しい)物事[理想, 目標], 見果てぬ夢

 

 

年度 問題 内容 ジャンル 単語数 語彙レベル readability
95% 97% AVR ARI CLI
2015年 第1問 階層構造 科学 論説文 690 5,000 7,000 1.8 16.0 14.8
2015年 第2問 「無」について 哲学・倫理学 論説文 387 6,000 8,000 1.8 13.8 11.3

京大 2015年度入試問題(英語) 第1問

 paragraph 1

 "The properties of a piece of matter are defined not by the basic building blocks themselves but by the way they are organised into hierarchies."

 

 [ihissangの頭の中]

 いきなり文頭がよくわからない。The properties of a piece of matterって何?propertyは財産だから財産の範囲の話かな。「1個の建物の範囲はブロックではなく、階層構造を形成するかで決まる」。なんかおかしいけど気にせず読む(苦笑)。すると、生物の話ってことがわかります。生物の話で構造(器官)と機能の関係を書いたわけね。

 

 [チート]

◇京大25年の和訳では、「ある物質がもつ数々の特性は、その基本的構成要素そのものではなく、その構成要素がどのように組み合わさって階層構造をしているかで規定される。」とあります。全然読めてなかった。

◇単語

property:特性(a quality or characteristic that sth has〈OALD〉‥知らんし)

matter:物質

building block:基本要素、構成要素

paradigm:実例、模範、理論的枠組み(a typical example or pattern of sth〈OALD

 

 

paragraph 2は何て事はない。さっと読む。で、下線部登場。

 

(1)Only when combined do these tones become the complex sound we call classical music. Essentially, music is just one example of a hierarchical system, where patterns are nested within larger patterns ― similar to the way words form sentences, then chapters and eventually a novel.

 

[ihissangの頭の中]

 最初の一文はどこで切れるかちょっと考えた。"do"が意味不明だったけど、強調で倒置の形になってるんだろう。直訳すると「組み合わされた時にだけ、この音色はクラシック音楽という複雑な音になるのである。」「組み合わされた時にだけ」と訳すとちょっと違和感がある(限定の意味ではなさそう)から、「組み合わされて初めて」にする。

 essentialは「本質的な」「不可欠の」だから、essentiallyは「本質的に」になりそうだけど、言葉が重たい気がする(だって、単に音楽が階層構造の一例にすぎないことを言いたいんでしょ?)。あえて、「重要なのは」にしとく。

 patternの訳は難しい。真っ先に出てくる日本語は「模様」次に「パターン」。あかん、単語忘れてる(笑)。hierarchical system が「階層構造」だから、patternは適当に「層」にしとく。

 nestの動詞の意味はもっと分からん。nestは「巣」。鳥がいろんなものを運んで組み合わせて巣を作るイメージから、「組み込む」とか「織りこむ」とかどうだろ?

 

[ihissangの解答]

「この音色は結合することによってはじめて、クラシック音楽という複雑な音になるのである。重要なのは、音楽は階層構造の一例に過ぎないことである。それは、層がより大きな層の中に組み込まれるものであり、あたかも単語が文を形成し、いくつもの章になり、ついには小説が出来あがるのに似ている。」

 

 [チート]

◇sound とtoneの違いを調べました。

 tone: tone 楽器の音のような気持ちのよい音(the quality of a sound, especially the sound of a musical instrument or one produced by electronic equipment〈OALD

sound: 耳に聞こえる「音」一般を表わす(something that you can hearOALD〉)

◇単語

 pattern:模様、型、原型、模範、(規則的)繰り返しといろいろ意味がある。「模範」からスタートして、行動の手本として、「型」「原型」、物の手本として「模様」らしいよ。京大25年では「型」って訳にしてる。ちょっとわかりにくい。

nest: (大小の箱などが)入れ子に収まる(日本語の意味が分からんし)、重ね合わせる。(fit an object or objects inside a larger one〈COD〉)。

  paragraph 3

 This maths shows that the principles of musical composition are shared by many seemingly diverse hierarchical systems, suggesting many exciting avenues to explore. 

 

[ihissangの頭の中]

 ”suggesting many exciting avenues to explore”がよくわからん。「いままで作曲家は無意識のうちに階層構造を利用してきたけど、最近になって数学的に解明されてきた。それは、作曲の原理が外見上は多様な階層構造から成り立ち、多くのわくわくするような探検すべき道を示している。」日本語の意味わからんし。”avenues to explore”が分かりにくいけど比喩的な表現っぽい。avenueは「道・大通り」だけど、音符をavenueに例えてると思う。「音符を一つ一つ探って調べるとおもしろい」ってことが言いたいのでは。

 

  [チート]

◇25年では、太字を、「探求すべき魅力的な手法の数々を示唆している」と訳してる。 excitingを「魅力的な」って訳してるけど、"causing great interest or excitement〈OALD〉"だから、学問的に興味深いという意味だと思う。avenueには「手段」「方法」( a choice or way of making progress towards sth〈OALD〉という意味がある。けど、「手法」とするとなんかしっくりこないんだよ。それ以前に日本語の意味が分からんし。まあ~設問になってないからいいや。

 

  paragraph 4

 Nature uses (2) this paradigm to design its materials, creating new functions via novel structures, built using existing building blocks rather than fresh ones.

 

[ihissangの頭の中]

(2) this paradigm内容を,本文の主旨に照らして日本語30~50字でまとめる問題です。だいたいわかるけれども、まとめるとなると難しいなあ。universality-diversity-paradigmの説明をすればいいんだろ。まず、階層構造が何かを説明をして、その働きをいえばいいんじゃね?

「一つ一つの物が組み合わされ一つのまとまりになり、それがさらに組織化されて階層構造を形成する。そして、全体構造の中で一つ一つの物の機能が決定され、様々な機能はそれを構成する多くの小さな構成要素から生じるとする原理(106字)。」

長いなあ。削りまくってまとめる。

 

[ihissangの解答]

微小で無数の物を組織化することで形成される階層構造が持つ機能は、個々の構成要素から生じるとする原理。(50字)

 

 [チート]

 25年とは、似たような解答だけど、実は全然違う!!

 

  paragraph 5~6はざっと読む。別に難しいとこはなかったけど、sequences of amino acidsがなんかわからんかった。

 

 

  paragraph 7 

   (3)㋐Listening to the music improved our understanding of the mechanism by which the chains of amino acids interact to form a material during the silk-spinning process. ㋑ The chains of amino acids that formed silk fibres of poor quality, for example, translated into music that was aggressive and harsh, while the ones that formed better fibres sounded softer and more fluid, as they were derived from a more interwoven network.

 

[ihissangの頭の中]

 下線部(3)の和訳です。㋐は別に難しくなかった。silkは「生糸」じゃないよね。蚕の話は出てないでし。けど、もしかしたら「生糸」かもわからん。spinは「紡ぐ」だけど、虫の器官でのことだから、「形成する」にする。

 ㋑はtlanslateの訳で悩んだ。もちろん「翻訳する」なんだけど、いわゆる「翻訳」とは違うんだよな。ここは、「置き換える」にする。fluidは「液体」「液体の」だけど、音楽だから「流れるような」にした。

 as 以下はよくわからんかった。 as は理由でいいかな。wovenはweave(織る)の過去分詞ってことはわかる。interwovenは「相互に織り込まれた」と推測networkの訳は「ネットワーク」しか出てこん。訳すと、「これは、より相互に織り込まれたネットワークから出ているからである。」。日本語の意味わからんし。困った。で、仕方なしに下に苦し紛れの訳。

 

[ihissangの訳]

㋐ 蜘蛛の糸を形成する過程でアミノ酸の鎖が相互に作用して物質を形成するが、音楽を聞くことによってこの構造をより理解することができたのだ。㋑ 例えば、品質の低い絹糸の繊維を形成するアミノ酸の鎖は、攻撃的ではげしい音楽に置き換えることができる。他方で、より品質の高いアミノ酸の鎖からはもっと柔らかく流れるような音がする。これは、より密に組み込まれた階層から出ているからである。

 

[チート]

 interwovenは「織り[編み]合わされた」「 密接に関連した」の意味。

 25年では、as以下を、「それはより緻密に織り合わさった網状組織から生じていたものだからだ」と訳してる。「上手い訳だなあ」と言いたいところだけど、「網状組織」って何なの?ここでいきなり生物学的な専門用語使うの?そもそも「網状組織」って一般的に使われている言葉ちがうでしょう。日本語訳を読んで意味不明になるから英文和訳ではあんまり難しい日本語つかいたくないし。

 networkは ”a complicated system of roads, lines, tubes, nerves, etc. that cross each other and are connected to each other〈OALD〉”の意味。「より緻密に網の目のように織りこまれた部分から生じているからである」と訳しました。後出しじゃんけんですが(汗) 

 

[追記]

 silkは蚕や蜘蛛に限定せず、「糸」がいいと思う。

 

 

 

 

灘高校 2017年度入試問題(英語) 第6問(続き)

2017年度入試問題(英語) 第6問

 

I could hardly sleep last night, (          ) him snoring horribly the whole night.

ア. and    イ. in      ウ. while   エ. with

 

 

この問題で 「 ウ. while」を入れて

 

  I could hardly sleep last night, while him snoring horribly the whole night.

 

 としていいか、という問題です

 

この問題を解く前提として、分詞構文の知識が不可欠です。ここで、分詞構文とは、分詞で始まる語句が、文全体を修飾し、副詞の働きをするものです。

ex. I stayed in bed,reading a book.(私は本を読みながらベッドにいた。)

 

分詞構文は、意味を明らかにするため「接続詞+分詞構文」の形をとることができます。

ex. He broke his leg while playing soccer.(彼はサッカーをしていて足を骨折した。)

 

分詞の前に意味上の主語(分詞が表す動作・状態の主体)を置いたものを独立分詞構文と言います。

ex. All things considered, you should not take the risk.(すべてを考慮に入れると、危険を冒すべきではない)

 

そうなると本問の論点は、「独立分詞構文の意味上の主語は主格に限られるか?目的格でも許されるか?」という問題になります。

 

動名詞の場合、意味上の主語を表すには「所有格」または「目的格」が用いられます。

ex.I can't imagine my father's singing in. front of others.(私は父が人前で歌うのが想像できない。〈所有格〉)

ex.Do you mind me sitting here?(私がここに座っても構いませんか?〈目的格〉)

 

これに対して、独立分詞構文の場合、文法書をみても明確な記述がありませんでしたただ、分詞構文は「接続詞と主語を省略」する構文なんだから、「主格」を意味上の主語にするのが理論的でしょう。本問では"him(目的格)"を用いているのでウの"while"は不正解となります。

 

では、仮に

  I could hardly sleep last night, while he snoring horribly the whole night.

 

という英文は文法的に問題がないだろうか?

結論は、そもそも"it"以外の称代名詞を独立分詞構文の意味上の主語にするのは許されないので、主格を用いたとしても誤りになります。

 

とまあ、長々と説明しましたが、こんな文法知識を中学生が知っているとは思えません!!もちろん大学入試レベルの文法問題集(Next Stageには書いてあった)を解いていればこの問題を「知識」として解けるでしょう。しかし、実際に受験生がこの問題を解いたときの正誤の判断は、ウを入れた文

 I could hardly sleep last night, while him snoring horribly the whole night.

に対する違和感だと思います。そして、この文に違和感を感じるためには、高校レベルの英文をたくさん読んで英文に対する勘を養うことが大事なのではないかと思います。